上品な英語 2016 1 10
書名 ニューヨーカーに学ぶ 軽く見られない英語
著者 田村 明子 朝日新聞出版
「TOEICのスコア800くらいの人たちが、一番危ない」
その通り。
TOEICのスコアが800点になると、
「自分は話せる」という自信があるために、
失礼な英語を平気で口にしてしまい、
相手を怒らせてしまう可能性が高いのです。
私の経験を話しましょう。
英語の電子メールでしたが、
それを読んで、こう思いました。
「実に婉曲な表現だな。
遠回しの表現であるが、
しかし、相手に自分の意思を伝える表現でもある。
教養のある人は、こういう英語を使うのか」と。
「私は、学生時代、学校で、
何年も英語を教わってきたが、
『上品な英語』の使い方は、
誰も教えてくれなかった」
こうした「上品な英語」の使い方については、
デイビッド・セイン氏の「日本人が使いすぎる英語」(PHP文庫)を参照してください。
さて、この本の特徴は、
英語の学習だけではなく、
ニューヨーク社会を紹介するとともに、
ニューヨークの観光ガイドにもなっていることです。
観光や仕事でニューヨークに行くときは、
ぜひ鞄に入れておきたい本と言えるでしょう。
ところで、TOEICのスコアが800点を超えたら、
聖書を読みましょう。
英語表現に聖書の言葉が出てくることがあります。
ハリウッドの映画でも、
「このセリフは、聖書の文言を引用している」という場面があります。
上品な英語 2015 5 24
日本人は、世界で最も礼儀正しいと思います。
しかし、日本人が使う英語は、上品ではありません。
書名 日本人が「使いすぎる」英語
著者 デイビッド・セイン PHP文庫
この本から文例を取り上げてみましょう。
「Sit down,please.」
この英語は、母親が子供に対して使う言葉で、
他人に対して使う言葉ではありません。
正しくは、「Have a seat.」と言うべきでしょう。
日本語では、「おかけください」という意味になります。
「It's expensive.」
お店で、思ったよりも値段が高い時に、
このような言葉が出てくるのでしょうが、
これでは、あまりにもストレートに表現していて、上品ではありません。
正しくは、「I can't afford it.」です。
日本語では、「高くて手が出ません」という意味になります。
「I hate fish.」
レストランで、苦手な食材を聞かれて、
このように答えるかもしれませんが、
これは、子供が使う英語です。
日本語にすると、「魚、嫌い」となります。
大人だったら、「I don't care for fish.」と言うべきでしょう。
「care for〜」は「〜が好き」という意味で、
ここでは、それを否定形で使っていますので、
「〜は、ちょっと苦手で」という意味になります。
「What is it?」
お店で、「この商品は、なんだろう」と思った時に使うかもしれませんが、
日本語にすると、「何だ、これ?」という意味で、上品ではありません。
店員に説明を求めるときは、
「Could you explain this?」と言うべきでしょう。
「Give me beer.」
この英語は、自宅で使う分には問題ないかもしれませんが、
他人に使う言葉ではありません。
日本語にすると、「ビール、持ってこい」という感じです。
正しくは、「Beer would be great.」です。
「would」は仮定法で、「ビールをもらえたら、とても、うれしい」という意味になります。